商品先物取引銘柄 - 生糸
生糸は古来より日本の代表的な生産品です。生成方法としては、まずは農家で蚕を育て、蚕の作った繭を収穫します。収穫された生繭は製糸工場に引きられ、ここで生糸が製造されます。
商品先物取引銘柄 生糸(詳細)
一粒の繭からとれる生糸の長さは1200〜1500メートルくらい、太さは2.5〜3.5デニールとされています。
日本国内では福島や群馬が主な産地です。ただ、日本国内における生糸の生産量は減少傾向にあります。
その原因としては、他の農産物に比べ、収益性があまりよくないからです。
着物などの絹製品の需要が減っていることも原因の一つです。国内の生糸産業が衰退しているため、今では生糸のほとんどを輸入に頼っています。現在、生糸の最大生産国は中国です。全体の約60%を占めています。
それ以外の国の生産量は、横ばいか減少傾向にあります。かつて生糸の主要生産国であった韓国や日本の生産量は、全体の数%にも満たないほど落ち込んできています。
生糸の需要としては、衣料品(絹製品)がほとんどです。アジア地域では弦楽器の材料としても使われています。日本の着物、三味線、琴の中には、生糸を材料に作られているものもあります。
生糸を取引する際に注目するのは、業者の消費動向です。生糸のほとんどが業者による絹織物製作のために使われています。よって、業者の生糸の消費動向が相場を大きく動かします。
ここ数10年の間、絹織物に対する需要が減っていたため、生糸相場は衰退状況にありました。しかし、近年では絹織物の着心地や通気性のよさが再び注目を集め始めています。今後は生糸産業の復活、相場の活性化があるかもしれません。